2020年5月10日日曜日

右指の力を抜き、柔軟性を養う練習

皆さん、こんにちは。
少しずつ暑くなってきました。

以前に「セルフ基礎練習開発のすすめ」と題して、自分向けオーダーメイドの基礎練習を工夫することの必要性をお話ししましたが、今日はその一例として、私なりに開発した「右指の脱力と柔軟性を養う練習」を紹介します。

ヴァイオリン演奏上、解決の難しい問題として、私は「楽器と身体が触れる場所のより良い在り方」を考えています。
楽器と身体が触れる場所は、ヴァイオリンの場合、3箇所です。
すなわち、
・楽器の底部と肩、首、顎
・ネックと左手
・弓と右手
ですね。

このうち、今日取り上げるのは「弓と右手」の問題です。
弦楽器の特性上、発音体たる弓を扱う箇所として右手の重要性は言うまでもありません。

けど、弓って何であんな細いねん。
鉛筆ぐらいの太さで、ぐらぐらして持ちにくいんじゃ!
もっと持ちやすいのを発明せんかい!
と考えるアマチュアヴァイオリン弾きは、世界に1億人ぐらいいると思います。
(実はぐらぐらだから美音が出せるんですけどね。)

右手にありがちなビョーキは、以下の通りです。
小指が突っ張る病

親指が突っ張る病

すげー力で持つ病
こうした持ち方では、ヴァイオリン本体から出てくる音は悲惨なものになります。

ちなみに、美音で高名なアルテュール・グリュミュオーの美しいグリップはこちら。


レッスンに行くと先生は、
「力を抜きなさい」とか、
「小指は丸めようね」とか、
「親指はキツネじゃなくてタヌキ」とか教えてくれるけど、
どうやったらそれが出来るのかまで教えてくれる人は少ないと思います。
ほとんどのヴァイオリンの先生は、自分が幼い頃に無意識にこの問題をクリアしてしまっているので、他人にどうやって教えたらいいか知らないのでは無いかと思います。

私は、右手の指の力を抜くコツを掴むには、元弓の練習が最適だと考えています。
特に、元弓の送り弓※1と移弦※2の練習。両方とも脱力していないとできません。
※1 普通、運弓はダウン・アップ交互だが、送り弓はダウン・ダウン、アップ・アップなど同じ方向が連続する運弓。
※2 移弦とは、ある弦を弾いた後、別の弦に弓を移動して弾く作業。例えばA弦を弾いた後、D弦に移って弾く。

説明するより見たほうが早いので、動画をどうぞ。
ここで使っている練習曲は、こちらの記事からダウンロードできます。

まずは、単純な元弓の運弓と、送り弓。
テキストは、カイザー教本の第1番です。


次に、元弓での移弦練習。
練習曲は、セブシックのOp.1, Book 1の11番。シュラディークのBook1のIV。
絶対、右手の指が脱力していないとできないと思います。


この間、「ステイホーム週間」とか言ってたけど、皆さんも是非「右手脱力週間」の取り組みをしてみてください。
1週間詰めてやれば、絶対効果が見えると思いますよ。
さあ、みんなでやってみよう。
あ、そうそう。この練習は、大人の変態の人向けです。
良い子は決して真似しないでください。ヴァイオリンが嫌いになるから。

余談ですが、普段から元弓が使えているかどうかは、根本の弓の毛が汚れていないかをチェックするとすぐわかります。

では。

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